Cycling

Race Report Jプロツアー第3戦白浜クリテリウム

2012年4月12日

TeamUKYO初優勝!辻善光のスプリント炸裂

JBCF Jプロツアー第3戦 白浜クリテリウム
期日:2012年4月8日 (日) 会場:旧南紀白浜空港跡地特設コース

【P1決勝  39km(1.5kmx26laps)】
1位 辻善光(Team UKYO) 53m10s 44.00km/h
2位 鈴木真理(cannondale spacezeropoint) st
3位 若杉厚仁(宇都宮ブリッツェン) st
4位 廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン) st
5位 太田貴明(Team UKYO) st
6位 大久保陣(パールイズミ・スミタ・ラバネロ) st

【Jプロツアー チームランキング】
1位 cannondale spacezeropoint 5800P
2位 Team UKYO 5050P
3位 宇都宮ブリッツェン 4600P

【Jプロツアー個人ランキング】
1位 辻善光(Team UKYO) 2000P
2位 鈴木真理(cannondale spacezeropoint) 1900p
3位 小室雅成(cannondale spacezeropoint) 1500P


 

2012年Jプロツアー第3戦となる「JBCF白浜クリテリウム」が和歌山県の旧南紀白浜空港跡
特設コースにて開催されました。
39㎞のクリテリウムは数多くのアタックが繰り返された末、大集団でのゴールスプリントとなり、
見事昨年に引き続き辻選手(Team UKYO)が、Jプロツアー総合リーダー賞であるルビーレッド
ジャージを着る鈴木真理選(cannondalespacezeropoint)をスプリントで抑え、2年連続の優勝
を果たしました!

前日の惨敗ともいえるチームTTより一夜明け、チームが得意とするクリテリウム。
“下総の忘れ物”を取り返すべくチーム一丸となって勝利を目指しました。レースは開幕戦の
下総と同じ予選・決勝方式のクリテリウム。予選では若杉選手が惜しくも決勝に駒を進められず、
7名での決勝エントリーとなりました。午前中の予選を終え、15:10からの決勝はフィニッシュ地点
のあるホームが向かい風、バックストレートが追い風と前日のチームTTとは逆の方向に風が吹き
付ける中、予選を勝ち上がった50名がスタートを切りました。レース開始後から先手の逃げを打ち、
主導権を握りたいチームがアタックを繰り返します。TeamUKYOも危険な逃げは潰しながらも
辻選手のスプリントを軸にした戦略を実行しレースを展開していきました。メイン集団から数人が
飛び出しては、逃げに乗っていないチームが追う落ち着かない展開がやや続いた後、横風を利用
したTeamUKYOのスピードアップから、残り17周(25.5㎞)に佐藤選手(TeamUKYO)が山下選手
(マトリックス)のアタックに反応し、2名での逃げを決めます。


(Photo:Hideki.Takagi/Cyclowired.jp)

それまでアタック合戦で落ち着きのなかった集団は牽制に入り、差が20秒近くまで開きました。
その後も逃げにメンバーを送り込んでいないcannondale spacezeropointや宇都宮BLITZEN等が
積極的に仕掛けますが、TeamUKYOとしては、集団牽引をしなくても良い絶好の形となり、狩野選手と
斉藤選手が各チームのアタックに反応しコントロール。
その後も佐藤選手は山下選手と協調して、南紀白浜の強い海風の中逃げ続けます。
2名の逃げ+メイン集団という構図が残り8周(12㎞)を残して吸収され、レースは振り出しに戻されまた。

残り7周(10㎞)を切った集団は、活性化し再度アタック合戦となりましたが、狩野選手斉藤選手に加え、
逃げ続けた佐藤選手と清水選手もチェックに入ります。落ち着かない集団は最終周回(残り1.5㎞)に
入り、そこから嶌田選手が辻選手のポジション取りのための牽引を開始。

向かい風の中の牽きによって集団は縦に伸ばされたままコーナーを折り返し、追い風の中残り1㎞、
各チームのスプリンターがポジションを上げに集団先頭まで上がってきますが、清水選手に守られた
辻選手が太田選手と共に最終コーナーへ突入。


(Photo:Hideki.Takagi/Cyclowired.jp)

自分の思い描いていたポジションでコーナーをクリア出来たと語る辻選手がラスト250mを切って
スプリントを開始。
先行不利と言われる向かい風の中、勇気を出してスプリントを仕掛けた辻選手が、誰にも並ばれず
フィニッシュラインを駆け抜け両手を挙げました。


(Photo:Hideki.Takagi/Cyclowired.jp)

後続から仕事を終えたアシスト陣が、チームメイトの優勝の報を聞いてエースと同じく両手を挙げ
ながらフィニッシュをしました。TeamUKYOが目指していたレース展開で、チーム力で勝ち取った
初めての勝利。選手、監督、スタッフ全員が嬉し涙で抱き合いました。次のレースは強豪チームも
合流する厳しい戦いになりますが、このチーム力を持ってまた新たな気持ちでレースに臨みたいと
思います。

【片山監督コメント】
前夜のチームミーティングで自分達が何をしなくてはならないか選手全員がわかっていた。
初日ほどの緊張感も少し抜けていた感じ。いつもは、何かを勉強しながらゆっくりやっていこう、
と言っている僕だが、最後に珍しくこの日は「全力で集中して行くぞ!」とみんなに話した。
当日の選手たちは高い集中力を生んでいた。若手の佐藤の逃げによって他の選手は足を
ためられた。
鈴木真理選手(キャノンデール)が動いた時は、エースの辻自らも動いて“自らの力で勝つ”
というエネルギーに満ちていた。ブリッツェンやキャノンデールが活性化して逃げても、ことごとく
チーム右京がマークし潰していく。風をたてに見事に展開が組めていた。
何かやっても物事というのは95点とかがせいぜいで、完璧ということはない。だけど今回は
100点だった。
一人一人の戦力で言えば、強い選手は他のチームにもたくさんいる。
それを超えて結果を出せたのは、それこそがチーム力ということなんだと思う。
自分たちが目指していた戦い方。決して一人ではゴールに辿り着けない。
チームだからこその勝利だ。
次のレースはシマノなどの強豪チームも顔を揃える。
こてんぱんにやられるかも知れないけれど、今度のレースもみんなで力を合わせて小さな奇跡を
起こせると信じている。
決して大きくはない、僕たちのような小さなチームが積み上げていく小さな奇跡。
今年はその小さな奇跡をいくつ起こせるだろう。

 


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